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医工学コース

小泉 範子

職 名教授
主要担当科目(学部)生命医科学概論、医工学基礎実験、再生医科学
主要担当科目(大学院)再生医療特論、再生医科学深論
小泉 範子 教授

プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪教育大学附属高校天王寺校舎出身。1994年京都府立医科大学卒業、京都府立医科大学眼科学教室に入局。医学博士、日本眼科学会認定眼科専門医。ケルン大学眼科留学(フンボルト財団研究員)を経て、2003年より同志社大学再生医療研究センター助教授、2008年より同志社大学生命医科学部准教授、2010年より同志社大学生命医科学部教授。京都府立医科大学客員教授、京都大学臨床准教授として、大学病院の角膜専門外来で診療を行う。生命医科学部で開発した再生医療技術を、臨床現場に橋渡しすることをめざしている。Forscungsforderungspreis der Deutschen Ophthalmologishen Gesellschaft(ドイツ)、Daiwa Adrian Prize(英国)、ベルツ賞1等賞(共同研究者)などを受賞。

研究テーマ

組織幹細胞を用いた角膜再生医療の開発

研究の概要

人間は外界からの情報の約70%を視覚によって得ています。眼球の最も表層にある角膜は厚さ約0.5mmの透明な組織であり、視覚情報を取り込む窓の役割を果たしているのですが、角膜が病気や外傷で混濁すると重症の視覚障害を生じます。私たちは角膜混濁による視覚障害に対して、幹細胞や生体材料(羊膜やコラーゲンなど)を用いた再生医学的な治療法の開発を行っています。羊膜を用いた角膜上皮の再生医療は、京都府立医科大学附属病院では1999年から臨床応用を行っており、それまで有効な治療法がなかった重症疾患に対する有用性が示されています。現在は、さらに患者数の多い角膜内皮疾患を対象に、角膜内皮再生医療の開発を行っています。具体的な研究手法は、細胞培養、遺伝子やタンパクの発現解析、移植実験による生体適合性の評価など多岐にわたります。先端医療の現場で解決できない問題点を克服し、より多くの人々が再び光をとりもどすために役立つ研究をすることを目指しています。

受験生・在学生へのメッセージ

日々進歩する先端医療の現場では、よりよい治療法を安全に行うための新しい技術が必要とされています。皆さんとともに明日の医療の発展につながる教育、研究を行い、生命医科学領域で活躍する将来の研究者、技術者の育成に貢献したいと考えています。

片山 傳生

職 名教授
主要担当科目(学部)医工・医情報学概論、材料力学Ⅰ・Ⅱ、医工学基礎実験材料力学演習Ⅰ・Ⅱ、連続体力学
主要担当科目(大学院)医用複合材料学特論、医用複合材料学深論
片山 傳生 教授

プロフィール

1949年、高槻市生まれ。1972年同志社大学工学部機械工学科卒業後、同志社大学大学院工学研究科機械工学専攻修士課程および博士課程に進学し、1977年単位取得満期退学。
1977年より大阪府立工業技術研究所、1983年より同志社大学工学部機械システム工学科、2008年4月同志社大学生命医科学部医工学科バイオメカニクス研究室に移籍。
2005年財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター理事、2006年常務理事、2007年より理事長
日本塑性加工学会、日本材料学会、日本機械学会、日本複合材料学会、先端材料技術協会、英国複合材料学会等の会員。
趣味:旅行、食べ歩き

研究テーマ

  1. 複合材料の成形
  2. 鍛造工程のインテリジェントCADシステム
  3. バイオミメティックス材料の開発

研究の概要

  1. 軽くて強いカーボンやガラスの繊維強化複合材料の成形法を開発します。これにより、自動車の材料として用い、CO2排出を削減し、地球環境を良好に保ちます。また、介護材料に用いることにより、人体に対する負担を減少させます。

  2. 「自然界に存在する構造物はその環境に最適に適合している。」との考えに基づき、自然界に存在する構造物を注意深く観察し、解析をして人口構造物の設計に役立てます。例えば、ひざ関節にある海綿骨は上体から来る荷重をうまく皮質骨に分散をさせています。これを車のバンパーに応用できないか?

研究内容

受験生・在学生へのメッセージ

大いに学び、大いに遊ぶ。自分の頭で、体で。悔いの無い大学生活を送ってください。

田中 和人

職 名教授
主要担当科目(学部)医工学基礎実験、材料工学Ⅰ・Ⅱ
主要担当科目(大学院)マイクロマテリアル特論、機械材料設計学深論
田中 和人 教授

プロフィール

1971年、京都市生まれ。1994年京都大学工学部機械工学科卒業後、京都大学大学院工学研究科機械工学専攻修士課程および博士課程に進学し、先進複合材料およびマイクロマテリアルの破壊・疲労特性に及ぼす環境効果に関する研究を実施。博士課程在籍中、1年間スウェーデン王立工科大学航空工学科に留学。1998年7月末に京都大学工学研究科博士課程を中退し、1998年8月に京都大学大学院工学研究科助手に就任。京都大学大学院工学研究科講師を経て、2005年4月より同志社大学工学部機械システム工学科助教授、2008年4月同志社大学生命医科学部医工学科バイオメカニクス研究室に移籍、2011年より教授。日本機械学会、日本材料学会、自動車技術会、日本複合材料学会、先端材料技術協会等の会員。趣味:海外旅行、車など。

研究テーマ

  1. 環境調和型先進熱可塑複合材料の成形技術開発と強度評価
  2. 生体・医療材料の創製とその信頼性確保

研究の概要

先進熱可塑複合材料や生体・医療材料を対象にして、ものづくりプロセスと材料の信頼性確保に関する研究を行っています。

  • 環境調和型先進熱可塑複合材料の成形技術開発と強度評価
    強化繊維として天然繊維、マトリックス樹脂として生分解性樹脂を用いたグリーンコンポジットと呼ばれる環境負荷の小さいFRP(繊維強化複合材料)が注目されています。ここでは、ジュート繊維やPLA(ポリ乳酸)といった植物由来の材料を用いた複合材料の成形方法の開発と機械的特性評価を行い、グリーンコンポジットの実用化を目指した研究を行っています。また、自動車産業においては、燃費向上のため量産車両の車体軽量化が必要不可欠とされており、一部スポーツカーなどにしか用いられていなかった炭素繊維強化複合材料(CFRP)の量産車への応用が期待されています。ここでは、熱可塑性樹脂を用いた繊維強化熱可塑樹脂基複合材料(FRTP)の成形方法の開発やその中間素材の開発をおこなっています。

  • 生体・医療材料の創製とその信頼性確保
    繊維直径が1マイクロメートル以下のナノファイバーは、再生医療用の培地などへの利用が期待されています。ここでは、生体適合性に優れた生分解性ポリマーの1つであるポリ乳酸を用いて、エレクトロスピニング法によりナノファイバーを創製し、その機械的特性評価技術の開発を行っています。また、これまでつちかってきた微小材料(マイクロマテリアル)の機械的特性評価技術をもとにして、材料の信頼性を確保することを目的に、生体薄膜材料などの生体・医療材料の機械的特性評価を行っています。

受験生・在学生へのメッセージ

さまざまな機器や機械が壊れないで安全に使用できるようにするためには、使われている材料が高い信頼性を有している必要があります。さらに、生体に使われる材料の信頼性を確保するためには、これまでの機械・構造物の信頼性確保とは異なった側面も持ちます。例えば、通常の機械や構造物では、実際の使用条件下で壊れないという条件を満たせばいいだけですが、生体材料では、材料そのものの耐久性だけでなく、材料が劣化あるいは損傷することにより生じた生成物の生物学的な影響、つまり、生体に悪影響を及ぼさないように考慮する必要もあります。したがって、材料に対する工学的な知識だけでなく、生命医科学の知識も同時に勉強することが非常に重要です。新しい生命医科学という分野で、皆さんと一緒に学べるのを楽しみにしています。

伊藤 利明

職 名教授
主要担当科目(学部)微分積分学Ⅰ・Ⅱ、代数学Ⅰ・Ⅱ、応用数理Ⅰ・Ⅱ
主要担当科目(大学院)非線形数理特論、非線形応用数理深論
伊藤 利明 教授

プロフィール

1959年岐阜県羽島市生まれ(水害の歴史で有名な輪中地帯)。東海大学工学部航空宇宙学科卒業、東京大学大学院工学系航空学専攻(工学博士)。神戸大学経営学部(講師)、徳島大学総合科学部(助教授・教授)、2008年同志社大学生命医科学部(教授)。数理科学・応用数学・工学・物理学・情報科学など色々な分野に興味を持って研究活動をしてきました。今後は生命や医学に関するテーマにも応用数理の見地から挑戦したいと思っています。趣味:未だに飛行機操縦の夢も捨てられません。飛行艇や飛行船もいいですね。

研究テーマ

現象の連続性や不連続性に注目した非線形現象理解のための計算法とその応用の研究。

研究の概要

自然界における色々な複雑な問題・現象に対し、その数理モデル(特に離散モデル)の考案・解析・応用を研究しています。特に連続モデルを重視しつつ、それと異なる離散モデルによる非線形現象の特徴や現象の厳密な再現可能性を追求しています。数理科学を土台とし、研究では計算機処理に便利な独自の数値解析・数式処理的手法を多用します。計算機システムで複雑な現象を厳密に再現できるようになることは、その現象を解明するに至る1つの入り口であると考え研究を進めています。

受験生・在学生へのメッセージ

専門・応用の基礎として大事な1分野である数学関係の授業を通じ、皆さんと最初に出会うことになるかと思います。理工系では数学がとても重要であることをよく知ってはいても、好きになれないとか、どうしても分からない、だから違う科目でがんばればいいと妥協してしまう、ということを皆さんが経験することはよく知っています。その実、私も数学の授業を何度も受けても分からないことばかりでした。しかし「分からないものは放って置く」、という対処が一番の前進の妨げになることがわかります。これはどの場合にも言えることです。この壁につきあたらないよう、数学を楽しく学び、皆さんが興味のある専門分野・将来において数学的指向が役立てられるよう、一緒にがんばりましょう。

仲町 英治

職 名教授
主要担当科目(学部)医工・医情報学概論、材料力学Ⅰ・Ⅱ、医工学応用実験、医用設計工学実習Ⅱ、BioMEMS
主要担当科目(大学院)医用デバイス特論、生体適合材料深論
仲町 英治 教授

プロフィール

熊本大学工学部卒、大阪大学大学院工学研究科修了、大阪大学工学博士の学位取得。国立八代工業高等専門学校、カナダ・マクマスター大学、米国・オハイオ州立大学、大阪大学、大阪工業大学において教育・研究に従事し、2007年度本学生命医科学部設置準備室に赴任。2008年度より生命医科学部教授。若い頃は山歩きが趣味、現在はテニスと旅行を楽しんでいます。日本機械学会フェロー、日本塑性加工学会フェロー、文部科学省私立大学バイオベンチャー研究開発拠点整備事業でセンター長として社会貢献。国際雑誌Computational Methods in Engineeringの編集委員やNUMISHEET国際会議の運営委員を務め国際貢献。

研究テーマ

  1. 生体に害を与えない新規機能材料・機能薄膜の創製・加工技術の開発
  2. 在宅医療を実現するための超小型低侵襲医療機械システムの開発

研究の概要

機械工学は自然を対象とし、医学は人間を対象とし、共に自然・人間の原理を知ることで、自然と人間の共生を目指した学問です。医工学科・バイオマテリアル研究室では、人間を組織、細胞、分子という階層構造として捉えて、小さなサイズから大きなサイズまで、運動を支配する原理を模倣した人工物や生体組織・細胞の再生を行う技術を開発します。具体的には、生体内に埋め込んでも生体に害を及ぼさない新しいマイクロポンプ用の材料を創っています。また、人体の仕組みを知った上で、治療の手助けを行う、あるいは病気を事前に検知することを目指して、できるだけ苦痛を低減した小型医療機械の開発を行っています。糖尿病などの成人病予知・治療に利用するマイクロ針、自動採血装置、血糖計測センサ、インスリン投与用マイクロポンプの開発を行っています。

受験生・在学生へのメッセージ

生命医科学という耳慣れない新しい分野で学ぶことは、医学、理学、工学というような確立された学問と違うために戸惑うことが多いでしょう。しかし、ルネサンス期の画家として知られるレオナルド・ダ・ビンチが、世界で最初に人体解剖図を描き、ヘリコプーターを設計した、つまり医工学の先駆者だったことは史実です。ふたつ以上の学問が融合することで新しい学問分野が創り出され、新しい知識と技術を持つ若者が育ち、社会に巣立つことはすばらしいことです。新しい世界を創る意欲を持ったあなたがこの新しい学部、学科を創るために入学していただきたいと思います。

森田 有亮

職 名教授
主要担当科目(学部)製図学基礎、医用設計工学実習Ⅰ、医用機械設計法、バイオマテリアル
主要担当科目(大学院)バイオマテリアル特論、バイオマテリアル深論
森田 有亮 教授

プロフィール

1968年兵庫県生まれ。1992年、同志社大学工学部卒業。1994年、同志社大学大学院工学研究科博士前期課程修了。その後6年間の機械メーカーでの勤務を経て、2003年に京都大学大学院工学研究科博士後期過程修了。2004年大阪工業大学講師、2006年大阪工業大学助教授。2007年より米国Rush University Medical Center客員助教授。2008年同志社大学生命医科学部教授。

研究テーマ

組織再生で重要となる細胞の培養環境設計および培養装置の開発、また再生組織の力学的機能や生体材料の特性の評価。

研究の概要

医療の目的は単に治療するだけでなく患者の生活の質(QOL)を再生することです。近年の高齢化に伴い、リウマチや関節炎などの関節疾患が社会問題となっています。荷重支持・衝撃吸収・潤滑といった機能を有する関節軟骨は、日常生活において重要な役割を担っています。QOLを維持するために、近年ではTissue Engineeringを応用した再生軟骨に関する研究が活発に行われています。優れた力学機能を有する関節軟骨を再生するために、軟骨細胞の活性に及ぼす物理的刺激の影響や再生軟骨組織の力学的機能の評価・診断技術に関して研究を行っています。

受験生・在学生へのメッセージ

医工学は、機械工学・医学・生物学などの複合領域である新しい分野です。多岐にわたる分野の知識や、医師や他分野の研究者との共同研究を通して、物事に対する幅広い視野と柔軟な思考力が養われることと思います。積極的に新しい分野にチャレンジして欲しいと思います。

横川 隆一

職 名教授
主要担当科目(学部)医工・医情報学概論、制御工学Ⅰ・Ⅱ、メカトロニクス
主要担当科目(大学院)機械制御工学特論、医用ロボット工学深論
横川 隆一 教授

プロフィール

1963年大阪市生まれ。
1986年同志社大学工学部機械工学科卒業、
1988年同大学大学院工学研究科機械工学専攻博士課程前期課程修了
1989年同大学大学院工学研究科機械工学専攻博士課程後期課程中退
1989年4月より同志社大学工学部助手
2002年4月より同大学工学部教授
2002年4月より2004年3月 同志社大学大学院工学研究科博士課程(前期課程)教授
2004年4月より同志社大学大学院工学研究科博士課程(後期課程)教授
2008年4月より同志社大学生命医科学部教授

1998年~2000年 同志社大学在外研究員(英国オックスフォード大学)

日本機械学会、日本ロボット学会、システム制御情報学会、日本ロボット工業会、IEEEの会員。

研究テーマ

人の手の運動解析、ロボットハンドの制御

研究の概要

人間は、器用な手によって道具を作り、さらにそれらをあやつり、文明を築いてきました。このことを考えると、人間の手の器用さは、これまでの人間の進化にとって重要な要因だということがわかります。手の構造を調べ、その仕組みと機能との関係を調べることは、人間の持つ知能とは何かを知る上での近道になるかもしれません

研究内容

受験生・在学生へのメッセージ

生命医科学部の教育・研究の内容は、私たち自身の体に関することです。自分自身のことなので、最もよく知っているはずですが、何も知らないのが現実です。私の研究対象である人の手の機能を見ても非常に複雑です。 人が何かを作るときには、目的があります。たとえば、F1のように極限までスピードを追求するレース用の自動車、 環境への優しさを追求したエコカーなど自動車一つをとっても、その目的に応じて多種多様です。何にでも対応できるように設計されたものは結局、何にも対応できません。われわれの手は何のために作られているのか? 大切な人を抱きしめるため?人と仲良く握手するため? それとも、人を殴って傷つけるため? それは、手の中に隠されているはずです。自分自身の体のことを、自分自身を、この学部で一緒に考えてみませんか?

積際 徹

職 名准教授
主要担当科目(学部)制御工学Ⅰ・Ⅱ、計測工学、医用ロボット
主要担当科目(大学院)ロボット工学特論
積際 徹 准教授

プロフィール

1976年 広島県三原市生まれ。奈良県立北大和高等学校出身。
1998年 同志社大学工学部卒業。
2000年 同志社大学大学院工学研究科(前期課程)修了。
2003年 同志社大学大学院工学研究科(後期課程)修了。博士(工学)。
2003年 島根大学総合理工学部助手。
2006年 同志社大学工学部助手。
2007年 同志社大学工学部専任講師。
2008年 同志社大学生命医科学部専任講師。
2010年 同志社大学生命医科学部准教授。

現在、日本ロボット学会、日本機械学会、日本設計工学会、IEEE(アメリカ電気・電子学会)の会員です。

趣味はバイク・車で行く酷道・狭路巡りと温泉巡り。島根大学赴任時(島根県松江市在住時)には、島根県東部の道という道をほぼ走り尽くし、温泉地もほぼ制覇しました。山陰は海あり、山ありの地で環境がよいうえに、ひなびた小道や酷道がたくさんあり、ドライブやツーリングには最高の場所でした。同志社大学に転任するにあたり、再び近畿の土地に戻ってきました。これからは学生時代に走り残した近畿の道を走っていきたいと考えています。

研究テーマ

人間とロボットの共同-協調作業に関する研究
生体に優しい動きを実現するロボットの制御法に関する研究
ロボットの機構解析に関する研究

研究の概要

「ロボット」と一口に言っても、いろいろな種類のロボットがありますが、メディカルロボティクス研究室(担当教員・構成員:横川 隆一 教授、積際 徹 准教授)では、「ヒト(人間)」を助けてくれるロボットの研究を行っています。現在、日本では急速な少子高齢化が進みつつあり、近い将来において深刻な労働力不足が懸念されています。同時に、高齢化社会における老老介護など、介護・福祉に関わるさまざまな問題も潜在しています。このような問題を解決する方法として、人間が行う作業を手助けし、力仕事などの負担を軽減してくれるロボットに注目が集まっています。

ロボットが人間を手助けし、共に作業を行うためには、両者の間で力学的な相互作用(力のやりとり)を実現しなければなりません。これは「力」を介したロボットとの「コミュニケーション」と捉えることができるのですが、「人間同士」なら「以心伝心」で簡単に行えることが、「人間とロボット」ではまだまだ難しい状態です。今は、これらの問題を解決すべく、人間とロボットの共同作業・協調動作が円滑にできるようなロボットシステムの研究を行っています。

ここで、「なぜロボットだけを利用して全自動化しないのか?」という疑問がわいてきますが、たとえば、介護や福祉の作業のすべてはロボット任せにはできません。人間のぬくもりやこまやかさは、今のところロボットでは実現できませんし、介護を受ける被介護者の方も、無機質なロボットに対応されるよりも、やはり人間の方がよいでしょう。ただ、介護・福祉に関わる作業は、人間に負担をかける作業が多くあります。そこで、それらを助けるロボットや機械システムが必要になります。また、労働力不足を補うシステムを考えた場合にも、生産過程に伴う作業が完全に自動化されるのではなく、人間の持つ能力を引き出し、それをサポートすることが重要になりつつあります。完全な自動化も可能ですが、近年、様々な生産施設で導入されているセル生産システムでは、人間が主体となって組み立てなどの生産作業を行っています。それらの作業をロボットを用いて補助することにより、生産効率を上げつつ、人間の疲れを軽減させたり、高度な技能を補助したりと、多様な方面からサポートすることができます。

このように、近年ではロボットの性能や機能のみを追求するだけでなく、「いかに人間と協調できるか?」が重要なテーマになりつつあります。このチャレンジングな問題に取り組むためには、工学的な知識だけでなく医学的な知識やヒト(人間)に対する関心を持ち、さらにそれらを効果的に融合する能力が求められます。生命医科学部医工学科では、生命体としての「ヒト」を学んだ上で、これらの研究を実施していきます。

受験生・在学生へのメッセージ

歴史ある同志社大学に先端工学領域を担う生命医科学部が設立されました。学生のみなさんと共にこの新しい学部を作り上げていくという「志」を抱きながら、期待に胸をふくらませています。次世代の工学や生命科学を担っていくみなさんと、この生命医科学部でお会いできることを楽しみにしています。

剣持 貴弘

職 名教授
主要担当科目(学部)物理学基礎、力学、コンピュータプログラミング、物理学Ⅰ・Ⅱ、電磁気学
主要担当科目(大学院)放射線科学特論
剣持 貴弘 准教授

プロフィール

1970年、岡山生まれ。岡山理科大学理学部を卒業後、岡山理科大学大学院理学研究科、総合研究大学院大学数物科学研究科を修了(博士【理学】)。その後、文部科学省核融合科学研究所非常勤研究員、岡山理科大学シミュレーション科学センター博士研究員等を経て、2004年4月より吉備国際大学政策マネジメント学部環境リスクマネジメント学科講師として勤務。2008年4月から同志社大学生命医科学部医工学科に着任。

研究テーマ

荷電粒子(イオン)と固体との相互作用
  1. スパッタリング現象に関する理論・シミュレーション研究
  2. 核融合装置の壁材料の損耗に関する研究
  3. イオンエンジンの材料損耗に関する研究

研究の概要

イオンビームを固体表面に当てると固体の構成原子が固体表面から弾き飛ばされる“スパッタリング”という現象が起こります。このスパッタリング現象は、現在半導体の製造、薄膜の生成など、広く工学的に応用されています。その他のも、スパッタリング現象は核融合装置の壁材料やイオンエンジンの材料の損耗を引き起こします。これらの材料のスパッタリングによる損耗を理論及びコンピュータシミュレーションによって研究を進めています。また、これまでの研究は主に無機物のスパッタリング研究を行ってきましたが、この経験を元に、今後有機物(生体材料)に関するスパッタリングの研究も進めて行きたいと考えています。

受験生・在学生へのメッセージ

学生時代は自分の自由になる時間が多くあります。何か目標を見つけてチャレンジする絶好の時期だと思います。是非、在学中に目標を見つけてどんどんチャレンジしていってください。また、勉強だけでなく、クラブ・サークル活動、アルバイト等などにも積極的に関わり、有意義な学生生活を送って欲しいと思います。