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トピックス

生命医科学研究科 医生命システム専攻修了生 池上葵さんらの研究成果が、The FASEB Journal誌に掲載されました。

2026年6月11日 更新

生命医科学研究科 医生命システム専攻 分子生命分野 池上葵さん(2025年度修了、現兵庫県立大学 大学院理学研究科 細胞構造学分野 助教)、高橋美帆准教授、西川喜代孝教授らの研究成果がThe FASEB Journal誌に掲載されました。

慢性骨髄性白血病(CML)は、キメラタンパクであるBCR-ABLによって引き起こされます。現在、治療薬としてイマチニブに代表されるABLチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)が使用されていますが、薬剤耐性が大きな問題となっており、新たな薬剤の開発が求められています。

本研究室では、これまで病理的な機能が不明であったBCR上のPHドメインは、ミトコンドリア内膜特異的リン脂質であるカルジオリピン(CL)と結合する能力を持つこと、CML細胞ではこの結合を介して一定量のBCR-ABLがミトコンドリア外膜に存在すること、を見出しました。しかし、この現象がCML細胞の増殖にどのように関与するのかは不明でした。

本論文では、PHドメインに結合しCLとの結合を阻害する多価型ペプチド、WDD-R4-tetを開発しました。さらに、WDD-R4-tetはBCR-ABLのミトコンドリア局在を阻害すること、このときアポトーシス阻害因子であるcIAPの発現を抑制すること、その結果アポトーシスを誘導し、CML細胞の増殖を抑制することを見出しました(図)。また、WDD-R4-tetはTKIに耐性を示すCML細胞の増殖も抑制しました。これまで、BCR-ABLによる細胞増殖シグナルはチロシンキナーゼを介して細胞質で発生すると考えられてきましたが、本研究によりミトコンドリア上に存在するBCR-ABLはこれとは別の増殖シグナルを作動させていることが示されました。WDD-R4-tetは、チロシンキナーゼには依存せず、BCR-ABLの細胞内局在を制御することで機能する、新たなタイプのCML治療薬として期待できます。

生命医科学研究科 医生命システム専攻修了生 池上葵さんらの研究成果が、The FASEB Journal誌に掲載されました。 (140036)

関連情報

論文タイトル

Localization of p210 BCR‐ABL to the Mitochondria Promotes Chronic Myeloid Leukemia Cell Proliferation Through cIAP Signaling

著者

Aoi Ikegami, Miho Watanabe-Takahashi, Kentaro Shimasaki, Yuta Okuda, Masaya Choda, Tsuyoshi Waku, Yoshiro Maru, Atsuko Deguchi, Yuri Nishino, Atsuo Miyazawa, Norihito Shibata, Mikihiko Naito, Kiyotaka Nishikawa*

*Corresponding author

雑誌

The FASEB Journal, 2026 May 30:40:11.

doi:10.1096/fj.202504723R

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