医生命システム学科
共焦点レーザー顕微鏡
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異なる波長のレーザー(励起光)を極めて薄い焦点面に集約させ、そこで発生する蛍光をスキャンする顕微鏡。厚みのある資料でも、空間的解像度の高い、よりシャープな像を得ることができます。得られた画像をコンピュータ処理することにより、3D化も可能です。現在の組織、細胞生物学には無くてはならないツールです。
リアルタイムPCRシステム
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PCRは任意のDNA断片を2のn乗に増幅するシステムであり、その手法の発見にはノーベル賞が与えられています。極微量のDNAを増幅できるため、現在の分子生物学を大きく発展させた手法です。本機器はDNAの増幅を反応サイクルごとに「リアルタイム」で記録できる装置であり、非常に高い感度、正確さでDNAを定量することができます。また、逆転写反応と組み合わせることにより、生体におけるmRNAの発現をごく短時間で調べることが可能です。
LC-MS システム
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質量分析機(MS :mass spectrometry)は様々な分子の質量を1 mass(水素原子1個)以下の正確さで測定することができます。この装置と液体クロマトグラフィー(LC: Liquid chrmoatography)を組み合わせることにより、既存の方法では解析困難であった数残基程度のペプチド群をそれぞれ分離、定量化できます。現在、アミロイドβペプチド産生メカニズムの解明、およびアルツハイマー病早期診断法の開発に応用されています。
分子間相互作用解析装置
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受容体-リガンドなど、分子同士の相互作用を高感度、リアルタイムで解析する装置です。従来の分子間相互作用の検出法では困難だった、分子間の結合解離のキネティクス解析を行うことができます。また目的分子を標識する必要がないため、未知の結合物質スクリーニング等にも応用されています。医生命システム学科では、目的のリコンビナントタンパク質に高親和性結合する、低分子化合物のスクリーニングに利用しています。
マルチラベルカウンター
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目的分子を固定した特殊ビーズ(ドナービーズ/アクセプタービーズ)を用い、分子間相互作用によってこの二つのビーズが近接したときにのみ、特定の光を放出する技術(Alphascreen)があります。マルチラベルカウンターは、この技術を利用して、分子間相互作用を高感度、高速多量測定する装置です。数μLの試料でも測定することが可能です。目的リコンビナントタンパク質に、特異的に結合する低分子化合物のスクリーニングに利用しています。
自動DNA配列解析システム
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核酸およびプライマー存在下に、DNA合成酵素を作用させ、目的のDNAを増幅させる。この際、蛍光標識されたジデオキシヌクレオチド(ddNTP)を共存させることにより、各残基で合成が止まったそれぞれの長さのDNAが合成されます。この装置は、得られたDNAをキャピラリー電気泳動で分離し、蛍光をCCDカメラで検出することで、目的のDNA配列を読み取る装置です。
全自動細胞解析・捕集装置
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この装置はフローサイトメトリーと呼ばれる分析手法に用います。蛍光物質によって標識した細胞を、細いチューブ内を通して、レーザー光を照射し、一つ一つの細胞の蛍光強度を測定します。さらに、蛍光強度のことなる細胞を捕集するセルソーターとしての機能も併せ持っています。個々の細胞の形態や分化、細胞周期などの情報を得ることが可能です。
蛍光イメージアナライザー
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電気泳動などで分離した蛋白質・核酸などの生体試料を、蛍光物質で染色後、検出・定量する装置です。二次元電気泳動による蛋白質の網羅的発現解析(プロテオーム解析)を行うことができます。