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トピックス

生命医科学研究科 医工学・医情報学専攻博士課程(前期課程)2年次生 森滉一郎さんらの研究成果が、Patterns誌に掲載されました。

2026年7月22日 更新

生命医科学研究科 医工学・医情報学専攻 医情報学コース/ヒューマンインフォマティクス研究室 森滉一郎さん、廣安知之教授、日和悟教授らの研究成果が、Cell Pressが刊行するデータサイエンス分野の国際学術誌Patternsに掲載されました。また、本成果はエルゼビア・ジャパン株式会社が定期発行するメールマガジン「エルゼビア・ニュースレター」2026年5月号の「Cell Press注目記事」にも取り上げられています。

 私たちの脳は、常に同じ状態にあるわけではなく、複数の活動パターンを行き来しながら認知や行動を支えています。このような脳活動の変化を「脳ダイナミクス」と呼びます。近年、脳活動をいくつかの安定した「状態」とその遷移として捉えるエネルギー地形解析(Energy Landscape Analysis: ELA)が注目されています。しかし、ELAではその数理モデル上の制約により、一度に解析できる脳領域の数が限られるため、全脳の多数の領域からどの領域を選ぶかを研究者が手作業で決める必要がありました。この手作業の選択は、研究者の仮説や経験に依存しやすく、解析結果の客観性や再現性を損なう可能性がありました。

 今回の研究では、この課題を解決するために、遺伝的アルゴリズムを用いて解析対象となる脳領域の組み合わせを自動的に選択する新しい解析フレームワーク「ELA/GAopt」を開発しました。遺伝的アルゴリズムは、生物の進化から着想を得た最適化手法であり、膨大な候補の中から目的に合う組み合わせを効率よく探索することができます。本研究では、ELAに適した脳領域の組み合わせを、研究者の主観に頼らず、データに基づいて自動的に探索する仕組みを構築しました。

 さらに、複数の公開脳画像データセットを用いて提案手法を検証し、選択される脳領域の安定性や、独立したデータセットに対する一般化可能性を確認しました。また、自閉スペクトラム症に関する多施設データにも適用し、感覚運動ネットワークや視覚ネットワークを含む脳状態ダイナミクスの特徴を抽出できる可能性を示しました。

 本研究成果は、脳活動を「状態」として理解する解析手法を、より客観的かつ再現性の高いものにする基盤技術です。今後、精神・神経疾患の理解や、脳活動に基づくバイオマーカー研究、個人に応じた脳状態評価への応用が期待されます。

生命医科学研究科 医工学・医情報学専攻博士課程(前期課程)2年次 森滉一郎さんらの研究成果が、Patterns誌に掲載されました。 (140922)
出典: Mori K., Hiroyasu T., and Hiwa S. “Automating region selection with genetic algorithms for energy landscape analyses of brain dynamics,” Patterns, 7 (7), 101560, 2026.

https://doi.org/10.1016/j.patter.2026.101560

License: Creative Commons Attribution 4.0 (CC BY 4.0)

https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/

研究内容の詳細は以下の関連情報をご覧ください。

関連情報

論文タイトル

Automating region selection with genetic algorithms for energy landscape analyses of brain dynamics

著者

Mori K., Hiroyasu T., and Hiwa S.*

*Corresponding author

雑誌

Patterns, 7 (7), 101560, 2026.
doi:https://doi.org/10.1016/j.patter.2026.101560

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