トピックス
生命医科学研究科 医工学・医情報学専攻修了生 山本達也さんらの研究成果が、Network Neuroscience誌に掲載されました。
生命医科学研究科 医工学・医情報学専攻 ヒューマンインフォマティクス研究室 山本達也さん(2023年度修了)、杉浦知さん、日和悟教授、廣安知之教授らの研究成果が、Network Neuroscience誌に掲載されました。
私たちの脳は、神経細胞同士がつながってできた「ネットワーク構造」によって情報を処理しています。この結びつきのことを「脳の構造的結合(structural connectivity)」と呼びます。近年、MRIなどの計測技術を使って脳のネットワークを解析し、認知機能や精神疾患との関わりを理解しようという研究が進められています。しかし、1回の実験にかかる時間や制約の都合上、十分な数のデータを集めることが難しいという大きな課題があります。
今回の研究では、この「データ不足」の課題を解決するために、人工知能の一種である生成モデル(Generative Adversarial Network: GAN)を用いて人工データを生成する方法を開発しました。通常のGANは「本物らしいデータ」を作ることに特化していますが、本研究ではさらに「認知課題との関連性が保たれるように」データを作り出す工夫を加えました。その結果、実際の脳データに近いだけでなく、認知機能とのつながりを反映した人工データを大量に作り出すことに成功しました。これは、人工的に作り出したデータを用いて研究を補強できる可能性を示しており、今後の脳科学研究やAIによる認知機能予測の精度向上に役立つと期待されます。
研究内容の詳細は以下の関連情報をご覧ください。
関連情報
論文タイトル
Task-guided generative adversarial networks for synthesizing and augmenting structural connectivity matrices for connectivity-based prediction
著者
Yamamoto T., Sugiura S., Hiroyasu T. and Hiwa S.*
*Corresponding author
雑誌
Network Neuroscience 2025; 9 (3): 1110–1137.
お問い合わせ |
生命医科学部・生命医科学研究科事務室 TEL:0774-65-6020
|
---|