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トピックス

生命医科学研究科 医工学・医情報学専攻修了生 吉田 創志さん、飛龍志津子教授らの研究成果が、Communications Biology誌に掲載されました。

2026年5月25日 更新

コウモリは、超音波を発し、その反響音(エコー)を聴くことで周囲の環境や獲物の位置を把握するエコーロケーションを行います。しかし飛行中には、自身の飛行によってドップラー効果が生じ、エコーの周波数は発したときよりも高くなって返ってきます(救急車のサイレンの音が近づくと高く、遠ざかると低く聞こえるのと同じ現象です)。森林などに生息する一部のコウモリでは、この周波数の上昇を打ち消すように、飛行速度に応じて発する超音波の周波数を下げる「ドップラーシフト補償行動」を行うことが知られていました。しかし、この行動の根本的な役割は、これまで明らかになっていませんでした。

本研究では、飛行中のコウモリの背中に小型マイクロホンを装着し、獲物を捕える際のコウモリが発した超音波と、コウモリに届く獲物と周囲からのエコーを直接計測しました。その結果、ドップラーシフト補償行動によって、周囲からのエコー(雑音)が常に一定以下の周波数帯に押し下げられ、その結果として、その上の周波数帯において、獲物からのエコーの検知に適した“静かな周波数帯”がつくり出されていることを明らかにしました。本成果は、生き物がノイズの多い環境でも重要な情報を確実に捉えるために、感覚だけでなく周囲の音の物理環境そのものを操る戦略を進化させてきたことを示すものです。

論文タイトル

Horseshoe bats (Rhinolophus nippon) suppress clutter noise through echolocation frequency control to detect prey
(キクガシラコウモリは獲物を検知するために、エコーロケーションの周波数を調整して背景ノイズを抑制する)

著者

Soshi Yoshida、 Haruhito Mastumoto、 Kohta I. Kobayasi、 and Shizuko Hiryu
(吉田創志、松本晴仁、小林耕太、飛龍志津子)

雑誌

Communications Biology
doi:10.1038/s42003-026-10217-9

プレスリリース

コウモリは獲物を見つけるために”静寂”を作る -驚異的な超音波戦略を解明- |ニュース一覧|同志社大学

お問い合わせ

吉田 創志(ヨシダ ソウシ)
同志社大学大学院 生命医科学研究科 博士課程(後期課程)修了(2026年)、現・アメリカ自然史博物館(学振海外特別研究員)
E-mail:syoshida@mail.doshisha.ac.jp


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