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医生命システム学科

ヒトの高度な機能の秘密とその修復の可能性に迫る。

分子生物学、細胞生物学から解剖学、薬理学、内科学などの幅広い医学領域を学びます。 人体の構造や機能、病気の原因について深く理解し、ヒトの健康増進、病気の予防、治療など 医療に貢献すべく研究・技術開発を進めます。

教員紹介

医生命システム学科の教員は、教員紹介(医生命システム学科)でご案内しています。

研究トピックス

酸化ストレスと病気。

ヒト血管内皮細胞のミトコンドリア(上図赤色)と、酸化ストレス時の活性酸素(下図黄色) ヒト血管内皮細胞のミトコンドリア(上図赤色)と、
酸化ストレス時の活性酸素(下図黄色)

生命医科学研究科「システム生命科学研究室」
システム生命科学研究室(オリジナルサイト)

私たちの体の中には活性酸素を除去する抗酸化システムが存在し、活性酸素の生成と除去がバランスをとった状態にあります。このバランスが崩れ活性酸素による酸化が亢進した状態が、酸化ストレスです。酸化ストレスは様々な病気の原因となり、老化を促進させる一方で、酸化反応は細胞内のシグナル伝達に機能したり、体の防御機能を高める良い作用をもちます。システム生命科学研究室では、酸化ストレスをキーワードに神経変性疾患や糖尿病の発症メカニズムを明らかにする研究を行っています。病気のメカニズムを明らかにすることにより、新しい治療法や予防法の開発、病態を示すバイオマーカーが同定されると期待されます。

アルツハイマー病克服のために。

アルツハイマー病の病理変化 アルツハイマー病の病理変化

生命医科学研究科「神経病理学研究室」

疾患研究には様々なアプローチがあります。神経病学研究室では老人斑と神経原線維変化とよばれるアルツハイマー病の“2大病理変化”を足場に研究を進めています。アミロイドβには発症への関与が疑われる様々な分子種があり、γセクレターゼの性質がその産生を左右すると考えています。一方、タウは正常脳に豊富に存在するにもかかわらず、病態形成時には神経細胞を攻撃します。このタウの異常化こそが神経障害のカギと考えています。これらの謎を解明するため、in vitro から in vivo までさまざまな実験材料を用いた研究を展開しております。

遺伝子の発現調節からガン化の原因を探る。

NRF3を減らすとガンが抑制される NRF3の削減とガン抑制

生命医科学研究科「遺伝情報研究室」
遺伝情報研究室(オリジナルサイト)

多くの生物は、DNAに刻まれた遺伝情報を正確に取り出すことで、その命を維持しています。特に、DNAからRNAへの転写による遺伝情報の取り出しは遺伝子発現と呼ばれ、その変調や破綻は様々な疾患の原因となります。私たちはこれまでに、転写を司る因子の一つNRF3がガン細胞を増殖させることを発見しました。現在は、ガン細胞を用いた網羅的な遺伝子発現解析に加え、マウス移植モデルを同志社大学で初めて導入し、より生体に近い状態でのガン解析を行っています。今後は、NRF3によるガン化メカニズムを解明し、新しい抗ガン剤の開発につなげていきたいと考えています。

歩数計を使った脱・メタボ計画。

歩数計を使った脱・メタボ計画

生命医科学研究科「抗加齢医学研究室」
アンチエイジングリサーチセンター/糖化ストレス研究センター(オリジナルサイト)

40歳以上の男性は2人に1人、女性は5人に1人がメタボリックシンドロームまたはその予備軍だと言われています。予防や改善のため、各地域では運動教室などの対面式運動指導が行われていますが、場所や指導者の確保が難しいという問題があります。そこで、医生命システム学科では、非対面式でも運動指導が行えないかと、歩数計と郵送物を使ったアプローチを検証。歩数計から運動量データを毎月取得・分析し、次月の目標数値を記載したシートを被験者に郵送しました。約4ヶ月の検証の結果、この方法は中高齢者の健康維持に有効だとわかりました。続けて、肉体年齢を算出し、具体的に何歳若返ったか伝えるなど、健康へのモチベーションを高める方法を研究しています。

情報伝達のカギ、シナプスに迫る。

脳幹・聴覚伝導路の神経回路図 脳幹・聴覚伝導路の神経回路図

生命医科学研究科「神経生理学研究室」

脳の情報伝達制御の要を担うシナプス。その情報伝達のメカニズムを解明することは、脳研究の最重要課題です。医生命システム学科は、シナプスの形成から機能が成熟・分化するまでの過程で、シナプス特性の変化とタンパク質の発生や消滅が同時に起こるという事実に注目。分子・機能間の因果関係を解くことが、謎の解明につながると考えています。その第一歩として、生後様々な時期のネズミの脳幹を取り出し、生きた状態の神経細胞とシナプスを観察。電極を使って細胞内記録を行い、巨大神経終末端と後細胞から同時に電気信号を記録することに成功しました。

新技術で、O157感染症治療薬開発に成功。

新技術で、O157感染症治療薬開発に成功

生命医科学研究科「分子生命化学研究室」

O157などの腸管出血性大腸菌(STEC)による感染は、下痢、出血性大腸炎になるばかりでなく、ときに溶血性尿毒症症候群、脳症などの生命に関わる重篤な合併症を併発します。本感染症の主な病原因子はSTECが産生するベロ毒素です。ベロ毒素は標的細胞に存在する受容体Gb3に結合します。このときベロ毒素は一度に複数のGb3と結合することで非常に強く標的細胞に結合します。これをクラスター効果と言います。医生命システム学科は、クラスター効果を阻害する新技術を開発し、ベロ毒素の毒性をシャットアウトする新しいO157感染症治療薬(PPP-tet)の開発に成功しました。さらに、この技術を応用し、現在大きな問題となっている各種新興再興感染症・がん・炎症性疾患等に対する治療薬開発に取り組んでいます。

細胞内代謝の新たな意義を解明し、創薬につなげる。

脊椎動物の身体支持やカルシウム調節において重要な役割をもつ骨は、単なる無機的な構造物ではなく、常に’形成’と’破壊’を繰り返すことで新陳代謝する組織です。骨を壊す「破骨細胞」と骨を作る「骨芽細胞」は互いにバランスをとって働くことで、骨の強度が適切に保たれています。これに対して、老化や閉経によって生じる異常な破骨細胞の活性化や骨芽細胞の機能低下は、骨量低下を引き起こすことで骨折のリスクを高める骨粗鬆症の原因となります。本研究室では、①破骨細胞形成にかかわる新たな仕組みを理解すること、②得られた知見を活かして破骨細胞を阻害する化合物を探索することで、骨粗鬆症に対する新しい予防・治療手段を見つけ出すことを目的としています。

取得できる免許・資格

  • 中学校教諭1種免許状(理科)
  • 高等学校教諭1種免許状(理科)
  • 図書館司書
  • 学校図書館司書教諭
  • 博物館学芸員

※神戸親和女子大学通信教育部(男女共学)との提携プログラムにより、小学校教諭1種免許状の取得も可能です。
詳しい情報は、免許資格課程センター「小学校教諭免許状(一種)取得プログラム」(オリジナルサイト)でご案内しています。